お店の雰囲気に合わせたテラスデッキ席

弊社の近所で評判の洋菓子屋さんからご依頼を受けました。
美味しいお菓子を取り揃えており、焼き菓子などが贈答品にも喜ばれていますが、お店の奥にはイートインコーナーが設けられており、ケーキを買ってコーヒーを注文することもできます。
ご依頼をいただいた時にも、お店の入り口脇にもテラス席のような椅子テーブルコーナーがありましたが、あまり使われてないようでした。

現状、レンガ積みのR壁の後ろ部分にレンガを敷いて屋外のテラス席と、小さな噴水がありましたが、デッキにして有効利用したいということと、屋外にある冷蔵庫を隠したいというご相談でした。
従業員が多く、常時入り口から冷蔵庫を行き来するため、屋外のテーブルと、噴水の間が通路になっている状態でした。
せっかくのR壁も、前に鉢植えや、余りレンガが無造作に積まれていました。

R型のレンガ壁は残し、壁の後ろに敷かれていたレンガと、余りのレンガでR型の花壇を増設し、壁にはお店のサインをつけ、夜間はスポットライトでサインがライトアップされるようにしました。

噴水とレンガは撤去し、現状のレンガ部分に合わせてデッキ形状を作ることにしました。
デッキ部分は全てテラス席としたことで、以前より席数を確保できました。
入り口側から奥が見えないように、手すり高さくらいの目隠しフェンスにし、アクセントとしてアイアン風フェンスもつけています。
入り口側のデッキ床面にはデッキ用照明を埋め込み、暗い時間帯でも足元が安全になるように配慮しました。

冷蔵庫は階段下に移設することも検討しましたが、位置を変えないほうがいいと判断し、冷蔵庫前に引き違いの目隠し扉を取り付けました。
スライドレール式なので、開閉もスムーズ。
片手がふさがっていても、楽に開け閉めできます。

デッキの上には屋根をかけました。
デッキ部分は全体に屋根がかぶるようにし、奥の冷蔵庫前側に続くように設置しています。
雨天時はテラス席はほとんど使われない為、雨天時に限ってデッキを通って従業員が冷蔵庫へ行き来できるように、フェンスの一部を扉にしたので、雨が降っていても濡れることなく食材を持ち出せるようになりました。
屋根には通常、雨樋をつけていますが、お店の雰囲気を損ねないように樋はつけず、代わりに屋根の一部に雨だれ防止のエッジをつけました。
よほどの荒天でなければ、雨水がエッジを伝って低い方へ流れ、屋根先が一番低いR型の先端に流れ落ちるようになっており、下ある花壇が雨受けになります。

ここがポイント
屋根には樋をつけず、直線部分にエッジをつけることで雨だれ防止をし、一番低い位置になる曲線部分に雨が流れるようにしています。