全天候型物干しスペース

とても広いご自宅で、奥行の狭い方で2Mほど、広い方で3Mほどもある南に面したバルコニーにサンルームを付けたいというご依頼でした。

初めは奥行きの広い方への取り付けをご希望されていたのですが、建物の屋根勾配が急勾配で、また窓枠から軒下までの高さがほとんどないため、新たに設置するサンルームの勾配を確保できないこともあり、既製品のアルミ製サンルームの取り付けが非常に困難なため、一旦は社内的には無理そうだなという感じがありました。

ところが、洗濯物を干すスペースとしてでいいから、とにかく屋根と壁があって雨風だけでもしのげるサンルームをつけたいという、お施主様のたってのご希望もあり、奥行きの狭い方にサンルームをつける事になりました。
屋根の収まりが非常にシビアな現場なため、直接、ウッドの職人が現場へ出向き、自ら現調し、収まりを確認してきました。
その場でお施主様と職人が高さなどのサイズ感の確認もできたため、それからの図面化もスムーズに進み、施工の目処が立ちました。

物干しなので床は無理なら無くていいというお施主様からのご提案もありましたが、垂木の基準を初めに計画した窓枠上ではなく、庇の鼻隠しからにし、掃き出しサッシも、既製品アルミサッシの最小高さのものにしたので、建物サッシの下の高さにデッキ床を張ることができました。

バルコニーの壁際に柱を立て、雨風をしのぐために取り付けた外壁はバルコニー上部のみとし、下はそのままバルコニーの壁のままとしました。
もともと、建物の外壁とバルコニーの外壁、内壁が同じ仕上げだったこともあり、サンルーム内部に立つと、しっかり内装仕上げがされているように見えます。

最初は雨風がしのげる程度の、屋根壁さえあればというご希望だったところを通風や人の出入りを考慮して3面ともサッシを取り付けたため、風のある天気の良い日は窓を全開すれば洗濯物の乾きがとてもいいようです。
床もあるため、室内続きの感覚で、雨の日でも室内ばきのまま洗濯物を干せて快適にお使いいただいています。

ウッドカラー/アンティークブラウン