上り下りを考慮し、段差を見直したデッキと階段

別荘のデッキの作り変えのご依頼をいただきました。
寒冷地なので高い基礎となっており、高低差のある敷地の場所によっては基礎だけで1M以上あるため、玄関までは階段付きのデッキを経由して出入りするようになっています。
建物を建てた際につけたデッキも老朽化が進んで傷みがひどく、床がところどころ抜け落ちていました。
既存のデッキとほぼ同じ形状のまま作り替えるにあたり、お施主様からのご希望は、安全に出入りができるようにしてほしいということでした。

既存のデッキの高さは玄関のドアを基準にしており、玄関前とリビング前をとをつなぐデッキの高さが同じなので、リビングの掃き出し窓から出るには15cmほどの段差があります。
建物の裏にある和室側のデッキも同じく掃き出し窓からは15cmほど下がった高さに位置していました。
部屋からの出入りの際の安心のために、リビングと和室前のデッキはサッシ下をデッキ高さとし、リビング側と玄関前とで高さ違いにし、リビング側デッキと玄関前デッキの真ん中に1段ステップを入れました。

玄関前の階段もやや急勾配だったので、既存が7段だったところを、お施主様のご希望で1段踏段を追加して8段にし、さらに既存の土間基礎を踏み段となるような位置に配慮して9段で上り下りできる緩やかな階段にしました。

和室側はデッキの横から出入り場所となっていたのを、お施主様のご希望に合わせ、正面側を階段にしました。
和室前デッキも高さ上げていることもあり、傾斜のゆるい4段の階段となりましたが、箱階段にしたことで、階段をベンチのように座れるようにしたいというお施主様の希望に合わせられました。

手すり部分は、既存のクロスタイプではなく縦桟にし、より安全で下から見上げても見えずらく目隠しにもなっています。
基礎は既存のものを使えるように束柱位置をそのままとしましたが、圧倒的に既存の束柱の数が少なかったため、ほとんどを新設し、強度面で安心な作りとなりました。

ここがポイント
リビング側と玄関側のデッキ高さを変え、どちらからも安全に出入りできるようにしました。