居住当時からずっと畑だった隣地が宅地開発され、たまたま駐車場横の隣地が車1台分ほどの広さで飛地のように残ることがわかり、そこを購入したため駐車場を拡大し、既存の古いウッドのルーフバルコニーも作り変えたいというご相談をいただきました。
ご自宅で会社を経営されているため、新しいバルコニーにプレハブを設置してバルコニーから出入り可能な事務所スペースにしたい、さらにプレハブ下はバイク用ガレージ倉庫にしたい。
また、駐車場から見て建物裏側に当たる敷地角地部分から夏は花火が見られるため、裏にも回れるようにしたい、というご希望でした。
予算を抑えるため、プレハブと倉庫、事務所来客用階段の材料調達と施工はお客様が自らされることで話がまとまり、スタートしました。
敷地を現調して分かってきたことは、もともと道路側が低く、もともと宅地地盤面と1M近い段差のため擁壁があり1台分の駐車場だったのを、縦列で2台停められるように擁壁を撤去し、急勾配スロープの駐車場としていたこと。
現調時はご自分で敷並べた敷設材があったのですが、一旦敷設材を撤去した際、既存のマンホールが地盤面から100高いことがわかりました。
既存の立水栓はお客様から水道屋さんに発注し、建物側に移設していただきました。
まず、今回購入した土地と合わせて、柱設置箇所を残して全て土間コンクリート打ちとし、奥の倉庫の部分をマンホール高さを基準に平らに残し、以前よりは道路からの勾配が緩やかになるようなスロープにしています。
今回、平面的に見てざっくりと3種の用途分けをしています。
道路側から
1,カーポート(屋根のみ)
2,下カーポート+上ルーフバルコニー
3,下バイクガレージ、倉庫、通路、階段+上プレハブ事務所
用途が違うことと、必要な強度も違うため、構造も変化をつけています。
1,カーポート
道路から2台横並びで駐車できるように新規の土地含め隣地いっぱいまでガレージ幅を広げることとしましたが、6M弱の長さのハードウッドがないため、カーポートの梁はC型鋼を2枚セットとして柱2本を梁で挟んでいます。
屋根はポリカ波板の大波を使用しています。
2,下カーポート+上ルーフバルコニー
ルーフバルコニーの床面高さを2階のサッシ下端を基準にしました。
デッキの下地はC型鋼の梁に乗せているため、自ずとカーポートの屋根の高さも決まりました。
奥側のC型鋼梁は、プレハブの土台も兼ねています。
バルコニーの手すりは高さ1100で隙間110以下の縦桟になるように柱間隔を決め、間口方向の柱はC型梁で挟み込んでいるため、頑強です。
デッキの下は、車への雨だれ防止のために屋根材と同じポリカ波板を張っています。
3,下バイクガレージ、倉庫、通路、階段+上プレハブ事務所
柱を密に設置できるため、こちらは完全にウッドのみの構造です。
本来基礎ブロックで作るプレハブの土台をウッドで作るため、梁の位置をプレハブ床伏図面より拾いだしました。
問題はその下に来る部分で、既存のマンホールがあることと、室外機は動かせないということでしたので、現地寸法を2.3回計り直し、通路有効幅、使い勝手を考慮しつつ限られたスペースから柱位置を決定しました。
マンホール部分が裏に回って花火を見るための通路兼倉庫の出し入れスペースとして、ちょうどよく納めることができました。
ここの部分に関して弊社の施工箇所は、柱、梁、プレハブの土台、上部バルコニーの手すり、階段室扉、シャッターのみです。
残りの倉庫内部棚、倉庫壁、プレハブ、階段はお客様が自ら施工されました。
今回は建物に固定はしていないものの、柱は全て地盤面に埋め込んでおり、C型鋼も使用して柱と梁が剛接合の独立型ラーメン構造に近く、3つのブロックを一体としているので、とても丈夫な造りとなっています。
ウッドカラー:ダークオーク