床に一工夫凝らしたバルコニーデッキ

お隣の駐車場と目地で間仕切られている建売住宅で、駐車スペース1台分の上部をカーポートにしたいが、敷地をより有効に使えるように、カーポート上部をバルコニーにしたいというご要望でした。

隣地との境界には共用の間仕切りとしてピンコロの目地が敷設されており、目地を超えてバルコニーを出せないのはもちろん、バルコニーの柱を建物との間が駐車できる有効幅を確保できるギリギリの位置に設定し、既存のL字型になっているバルコニー壁面を利用して片持ち型バルコニーとするしかできない状況でした。

バルコニーへのアクセスは、階段や梯子を使って下からというのはスペース的に不可能だったので、既存のバルコニーの上部手すりのアルミ部分のみ一部撤去、補修し、ウッドで階段を作り付けて出入り出来るようにしました。

駐車場前にある1階の掃き出し窓のある部屋がリビングで、もともと建物形状的にあまり日当たりが良くなく、バルコニーを増設してしまうとさらに日差しが入りにくくなることを懸念され、なんとか上からの明かりは確保したいというご希望があり、床を透明色のFRP製グレーチングとしました。
よくあるグレーチングは穴あきになっているため、屋外のバルコニー床に使うと雨が下に落ちてしまうため、これではカーポートの役目を果たさないため、フラットなFRP板と一体になっている透明のFRPグレーチングを探して、これを床に利用しました。

カーポート、バルコニーの延長、増床バルコニーへのスムーズな行き来、1階の明かり確保と、厳しい条件の中、なんとかお施主様のご要望を全て満たすことができました。

ウッドカラー/ダークオーク